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「会社員を辞めて後悔するかも?」と悩むあなたへ|独立して分かった後悔と良かったこと【体験談付き】

「会社員を辞めて、独立したい」。 そう思いながらも、「でも、後悔したらどうしよう…」という不安が頭をよぎり、一歩を踏み出せずにいませんか。

その気持ち、痛いほどよく分かります。 私自身、会社員からフリーランスエンジニアとして独立する前は、同じ不安を抱えていました。

この記事では、会社員生活に区切りを打ち、独立したからこそ分かった「良かったこと」と「後悔したこと」を、体験談を交えながら本音で語ります。 あなたの意思決定の材料になるよう、具体的なエピソードや対策も詳しく解説します。 この記事を読み終える頃には、漠然とした不安が晴れ、自分らしいキャリアを築くための具体的な指針が見えているはずです。

会社員時代に感じていた“良さ”と“違和感”

独立を考えるとき、つい会社の悪いところばかり目につきがちですが、まずは会社員であることのメリットを客観的に振り返ってみましょう。

安定という名の“セーフティネット”

会社員の最大の魅力は、やはり「安定」です。 毎月決まった日に給与が振り込まれる安心感は、何物にも代えがたいものがあります。 業績が多少悪化しても、すぐに生活が脅かされることはありません。

また、充実した福利厚生も大きなメリットです。 社会保険の半分を会社が負担してくれたり、家賃補助や退職金制度があったり。 こうした制度に守られている感覚は、独立すると失われるもののひとつです。

私自身、会社員時代は年に2回の賞与をあてにして、少し高価な買い物をしたり、旅行の計画を立てたりしていました。 「来月も、その次も、安定した収入がある」という前提があったからこそ、安心して消費や投資ができたのです。

一方で感じていた“違和感”の正体

しかし、その安定と引き換えに、いくつかの「違和感」も感じていました。

裁量権の限界

一つは、裁量権の限界です。 特に技術者として、「もっと新しい技術を試したい」「このアーキテクチャの方が効率的なのに」と感じても、組織の方針や既存のシステム、予算の都合で断念せざるを得ない場面が多々ありました。 自分の意思でコントロールできない範囲が広いことに、もどかしさを感じていたのです。

時間の制約

決まった時間、決まった場所に出社するという働き方も、次第に窮屈に感じるようになりました。 「今日は集中力が高いから一気に進めたい」「逆に調子が悪いから少し休みたい」と思っても、就業規則に縛られます。 通勤ラッシュに揺られる毎日にも、疑問を感じていました。

評価のもどかしさ

そして、評価制度への不満です。 どれだけ成果を出しても、給与が急激に上がるわけではありません。 年功序列の文化が根強い組織では、個人のパフォーマンスが正当に評価されにくいと感じることもありました。 「自分の市場価値は、本当にこの給与額なのだろうか」という疑問が、独立を考えるきっかけの一つになりました。

独立して“良かったこと”を本音で

不安を乗り越えて独立した結果、会社員時代には得られなかった多くの「自由」と「成長」を手にすることができました。

1. 時間と場所の自由

最も大きな変化は、働く時間と場所を自分で決められるようになったことです。 朝型の私は、早朝に集中して作業し、午後はインプットや自己投資の時間にあてる、といった働き方が可能になりました。 満員電車に乗る必要もなくなり、心身ともにストレスが大幅に軽減されました。

初年度はがむしゃらに働いていましたが、2年目以降は意識的に休みを取るように。 平日の昼間にジムに行ったり、旅行に出かけたりと、プライベートも充実させられるようになりました。 この自由度の高さは、フリーランスの最大の魅力だと感じています。

2. 案件選択の自由

会社員時代は、アサインされたプロジェクトをこなすのが基本でした。 しかし、フリーランスは「どの案件を受けるか」を自分で選べます。

私はGo言語とGCP(Google Cloud Platform)を専門にしていますが、独立後はその技術スタックに合致した案件や、自分のキャリアプランに沿った案件だけを選んで参画できるようになりました。 興味のない技術や、レガシーな環境での開発から離れられたことで、仕事のモチベーションが格段に上がりました。

3. 学習の加速とスキルの深化

案件を選べるということは、自分の伸ばしたいスキルに直結する経験を積めるということです。 会社員時代は、研修制度はあっても、実務で使わなければスキルは身につきにくいもの。

フリーランスになってからは、「次はサーバーレスアーキテクチャの案件に挑戦したい」と考えれば、そのための学習に集中し、ポートフォリオを準備して、実際に案件を獲得するというサイクルを回せるようになりました。 常に市場の需要を意識し、能動的に学習する習慣が身についた結果、スキルアップの速度は会社員時代の比ではありません。

4. 収入の上限が“自分次第”になる

会社員のような安定はありませんが、フリーランスには収入の「上限」もありません。 自分のスキルと努力次第で、収入を青天井に伸ばせる可能性があります。

私の例で言うと、独立初年度の年収は会社員時代の約1.5倍になりました。 もちろん、高単価案件を獲得するためのスキル習得や営業努力は必要です。 しかし、自分の頑張りがダイレクトに収入に反映される点は、大きなやりがいにつながっています。

独立して“後悔したこと/つまずき”

ありがたいことに、私は独立してから収入が不安定になった経験は一度もありません。 常に案件を継続できていますが、それでも「会社員時代の方が良かったかもしれない」と感じる瞬間はあります。 多くの人が懸念する収入面よりも、むしろ「学び」と「信頼」の面で、フリーランスならではの難しさに直面しました。

未経験分野の学習機会が減ったこと

会社員時代は、会社の「投資」として研修を受けさせてもらえたり、OJTで新しい技術を学んだりする機会がありました。 しかし、フリーランスは即戦力として見られることがほとんどです。

「この技術は未経験ですが、学びながら貢献します」というスタンスが許容される案件は、残念ながら多くありません。 もちろん、ゼロではないでしょう。 しかし、そうした寛容な案件を見つけ出すこと自体が、一つのハードルだと感じています。 常に自分のスキルセットと市場の需要を冷静に見比べ、自腹で学習時間を確保し続けないと、あっという間に取り残されてしまうという危機感があります。

信頼の積み上げに時間がかかること

独立当初は、3ヶ月更新のような短期契約からスタートすることが多いです。 クライアント側も、初めて一緒に仕事をするフリーランスに対しては「まずはお手並み拝見」というスタンスなのでしょう。

ここから「ぜひ長期でお願いしたい」「他の案件も任せたい」と言ってもらえるようになるまでには、地道な実績の積み重ねが不可欠です。 期待されたアウト-プットを出し続けることはもちろん、日々のコミュニケーションやレスポンスの速さなど、技術以外の面でも信頼を一つひとつ積み上げていく必要があります。 この「信頼残高」が貯まるまでは、常に次の契約更新に怯えるような、精神的な落ち着かなさがありました。

後悔ポイントへの対策とリスクコントロール

これらの「後悔」は、事前の準備と対策である程度コントロールできます。 私が実践してきたリスク回避術を、チェックリスト形式でご紹介します。

独立前に整えるべき5つのチェックリスト

項目具体的なアクション目的
1. 資金生活費の6ヶ月〜12ヶ月分を貯金する。収入が途絶えても焦らずに済む精神的な安定の確保。
2. ポートフォリオ自分のスキルを証明できる成果物(Webサイト、アプリ、GitHubリポジトリ等)を用意する。営業時に自分の実力を客観的に示すため。
3. スキル1つでも良いので「これで稼ぐ」という専門分野を確立する。高単価案件を獲得し、他のフリーランスとの差別化を図るため。
4. 人脈・営業導線副業で実績を作ったり、エージェントに登録したりして、案件の「当て」を2〜3つ作っておく。独立直後からスムーズに仕事を開始するため。
5. 事務処理の準備開業届の提出方法を調べる。会計ソフト(freee, Money Forward等)を契約しておく。煩雑な事務作業を効率化し、本業に集中するため。

特に重要なのが「資金」と「営業導線」です。 十分な貯金があれば、単価の安い仕事に飛びつく必要がなくなり、心に余裕を持って自分に合った案件を選べます。 また、独立前から副業を始めたり、フリーランスエージェントに相談して自分の市場価値を把握しておくと、独立後のスタートダッシュが格段にスムーズになります。

会社員 vs フリーランス:あなたに合うのはどっち?

結局のところ、どちらが良い・悪いという話ではありません。 何を重視するかによって、最適な働き方は変わります。

観点会社員フリーランス
収入の安定性◎(高い)△(不安定)
自由度(時間・場所)△(低い)◎(高い)
成長速度◯(環境による)◎(自己責任で加速可能)
社会的信用◎(高い)△(低い)
福利厚生◎(手厚い)×(ほぼ無い)
ストレス源人間関係、社内政治収入の不安、孤独感

こんな人は独立に向いている/慎重にすべき

上記の比較を踏まえ、どのような人が独立に向いているのか、私の経験から考えてみました。

独立に向いている人の特徴

  • 自走力がある人:指示待ちではなく、自分で課題を見つけて解決できる。

  • 学習を継続できる人:常に新しい技術や知識を学び続ける意欲がある。

  • 不確実性を楽しめる人:安定よりも変化や挑戦にワクワクする。

  • 自己管理能力が高い人:スケジュール、タスク、体調を自分で管理できる。

  • コミュニケーション能力がある人:クライアントとの交渉や調整を苦にしない。

慎重に検討すべき人の特徴

  • 安定を最優先する人:決まった給与や福利厚生に強い安心感を覚える。

  • 指示がないと動けない人:具体的な指示がないと、何をしていいか分からなくなる。

  • お金の管理が苦手な人:収支計算や税金のことを考えるのが苦痛。

  • 孤独が苦手な人:常に誰かと一緒に働きたい、雑談したい。

独立へのロードマップ:最初の一歩から安定まで

もしあなたが「独立に向いているかも」と感じたなら、具体的なステップに進んでみましょう。 いきなり会社を辞めるのではなく、段階的に準備を進めるのが成功の鍵です。

  1. Step 1: 副業で腕試し
    まずは現在の会社に在籍しながら、週末や夜の時間を使って副業案件に挑戦してみましょう。
    クラウドソーシングサイト(Lancers, CrowdWorksなど)や、副業専門のエージェントを活用するのがおすすめです。
    「自分のスキルが本当にお金になるのか」を試す絶好の機会です。

  2. Step 2: 実績とポートフォリオ作り
    副業で納品した成果物や、個人開発したアプリなどをポートフォリオとしてまとめます。
    特に、技術ブログでアウトプットしたり、GitHubでコードを公開したりすることは、あなたの技術力をアピールする強力な武器になります。

  3. Step 3: フリーランスエージェントに相談
    独立後のメインの収入源となりうるのが、フリーランス専門のエージェントです。
    レバテックフリーランスやITプロパートナーズなどに登録し、キャリアアドバイザーと面談してみましょう。
    自分のスキルセットでどのような案件があり、単価はどれくらいか、客観的な市場価値を知ることができます。

  4. Step 4: 退職準備と手続き
    副業である程度の収入が見込めるようになり、エージェントからも案件の紹介を受けられる目処が立ったら、いよいよ退職の準備です。
    会社の就業規則に従い、余裕を持って(1〜3ヶ月前)退職の意向を伝えましょう。
    同時に、開業届の準備や国民年金・健康保険への切り替え手続きも進めます。

  5. Step 5: 初年度を乗り切る
    独立初年度は、とにかく実績を積むことを最優先に。
    エージェント経由の案件で安定した収入基盤を築きながら、空いた時間で直接契約のクライアントを探したり、自己投資に励んだりするのがおすすめです。
    例えば、私の場合はGoとGCPという軸を定め、その技術スタックが活かせる案件に集中することで、専門性を高めていきました。

FAQ:独立前のよくある不安に回答

Q1. 案件が途切れたらどうすればいいですか?

A. 複数の収入源を持つことがリスクヘッジになります。 エージェント経由の案件を1つ、副業サイト経由の案件を1つ、のようにポートフォリオを組むのが理想です。 また、常に半年分の生活費をバッファとして確保しておきましょう。

Q2. 営業が苦手です。エンジニアでもやっていけますか?

A. はい、やっていけます。 フリーランスエージェントを活用すれば、営業や契約交渉を代行してくれます。 まずはエージェント経由で実績を積み、自信がついてから直接契約に挑戦するのでも遅くありません。

Q3. 住民税や年金がどうなるか不安です…

A. 会社員時代の翌年の住民税は、退職後に自分で納付する必要があります。 これが意外と高額なので、あらかじめ準備しておきましょう。 年金は国民年金に切り替わりますが、将来の受給額を増やすためにiDeCo(個人型確定拠出年金)や国民年金基金への加入を検討するのがおすすめです。 会計ソフトを使えば、確定申告もそれほど難しくありません。

まとめ:後悔を“材料”にして、未来の自分を選ぶ

会社員を辞めて独立することには、自由や成長といった輝かしい側面と、不安定さや孤独という厳しい側面の両方があります。 大切なのは、どちらか一方だけを見るのではなく、両方をリアルに想像し、「自分はどちらの人生を選びたいか」を真剣に考えることです。

後悔する可能性をゼロにすることはできません。 しかし、事前の準備と対策を積み上げることで、後悔の確率を限りなくゼロに近づけることは可能です。

この記事で紹介した「後悔したこと」は、あなたが同じ轍を踏まないための道しるべです。 「良かったこと」は、あなたが目指すべき未来の姿かもしれません。 これらの情報を材料に、ぜひあなた自身の答えを見つけてください。

次の一歩:まずは“情報収集”から始めよう

もし、少しでも「独立、面白いかもしれない」と感じたなら、最初の一歩としてフリーランスエージェントに無料相談してみることをお勧めします。

これは「独立する」と決めるためのものではありません。 あくまで、「自分の市場価値を知り、選択肢を増やす」ための情報収集です。 プロのアドバイザーと話すことで、今のあなたに足りないスキルや、目指せるキャリアパスが明確になります。

今の会社に不満がなくても、自分の価値を客観的に知っておくことは、今後のキャリアを考える上で必ずプラスになります。 行動しなければ、何も変わりません。 あなたの小さな一歩が、未来を大きく変えるきっかけになるはずです。


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  • この記事を書いた人

ふくまる

機械設計業をしていたが25歳でエンジニアになると決意して行動開始→ 26歳でエンジニアに転職→ 28歳でフリーランスエンジニアに→ 現在、34歳でフリーランス7年目 Go案件を受注中 Go,GCPが得意分野

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