フリーランスエンジニアという働き方に、多くの人が「高い収入」と「自由な働き方」という夢を抱いています。 しかし、その一方で「本当に稼げるのか」「会社員時代より不安定になるのではないか」といった現実的な不安を感じる方も少なくありません。
本記事では、単なる平均データだけを並べるのではなく、筆者自身の実体験と最新の市場データを組み合わせ、フリーランスエンジニアの収入実態を徹底的に解き明かします。 この記事を読めば、スキルや年齢ごとの具体的な年収相場から、収入を最大化するための地に足の着いた戦略まで、すべてが分かります。
フリーランスエンジニアの収入相場【2025年版・全体像】

まず、フリーランスエンジニア全体の収入相場を、より解像度を上げて見ていきましょう。
「平均年収」のワナと「中央値」の重要性
よく「フリーランスエンジニアの平均年収は800万円」といった情報を見かけますが、これは「平均値のワナ」を理解する必要があります。 例えば、4人が年収600万円、1人が年収2000万円だった場合、平均年収は880万円です。 しかし、ほとんどの人は600万円であり、実態とはかけ離れています。 より現実に近いのは「中央値」で、フリーランスエンジニアの単価中央値は 月65万〜75万円 あたりと考えるのが妥当でしょう。
地域別・契約形態別のリアルな単価
地域別の単価差: やはり案件が集中する 東京 が最も高く、月単価で 大阪・名古屋より5万〜10万円、福岡・その他地方都市より10万〜15万円 ほど高い傾向があります。筆者は埼玉在住ですが、フルリモートで東京単価の案件を受けることで、この地域差を克服しています。
契約形態の違い: フリーランスの契約は主に「SES(準委任契約)」と「請負契約」に分かれます。
スキル別の収入相場【2025年最新・深掘り版】
あなたの市場価値を正確に知るため、スキルセットをさらに細分化して見ていきましょう。
フロントエンド: TypeScriptとGraphQLが単価を押し上げる
ReactやVue.jsのスキルは、もはやフロントエンドの基本となりつつあり、月単価70万〜90万円の案件が豊富です。 ここから単価を上乗せする鍵は TypeScript と GraphQL です。 TypeScriptによる型安全な開発は、大規模なプロジェクトになるほど価値が高まります。 また、GraphQLはAPIとの通信を効率化する技術であり、この両方のスキルを持つエンジニアは、月単価80万〜100万円 の高単価案件を狙うことができます。
バックエンド: Javaの安定性 vs Go/Rustの成長性
金融系や官公庁などの大規模システムでは、今もなお Java とSpring Frameworkが根強い人気を誇り、長期安定案件が見込めます。 一方で、高単価と将来性を狙うなら Go や Rust です。 例えば、動画配信サービスのバックエンド(Go)や、金融取引システムの高速処理エンジン(Rust)といった、パフォーマンスが求められる領域で採用が進んでいます。 筆者もJavaからGoへスキルシフトしたことで、単価を大幅に上げることに成功しました。
インフラ: マルチクラウドとIaCの価値
AWS単体、GCP単体の経験者は増えてきましたが、両方を扱える マルチクラウド の経験者はまだ少数です。 これに加えて、TerraformやAnsibleといった IaC(Infrastructure as Code) ツールを使いこなせれば、市場価値はさらに高まります。 なぜなら、IaCは手作業によるミスを防ぎ、インフラ構築を自動化することで、企業の開発スピードと安定性を直接的に向上させるからです。
AI/データサイエンス: 実際の募集要項から見る単価
AI関連の求人は急増しており、単価も高騰しています。 例えば、ある企業の「生成AIエンジニア」の募集要項には、以下のような記述がありました。
業務内容: 自社LLMのファインチューニング、およびRAGシステムの開発
必須スキル: Python, PyTorch, LangChainの実務経験3年以上
想定単価: 月額110万〜140万円
このように、具体的なライブラリやフレームワークの経験が、直接高単価に結びつく世界です。
年齢・キャリア別の生存戦略

20代: 実務経験の浅さを補うため、GitHubでの活動に加えて、QiitaやZennでの技術記事投稿 が有効です。コードだけでなく、自分の考えや学習プロセスを言語化する能力は、ポテンシャルの証明になります。
30代: 家庭や育児との両立が大きなテーマになります。筆者の知人には、週3日の時短案件と、個人のWebサービス開発を両立させ、会社員時代以上の収入と家族との時間を手に入れたエンジニアがいます。
40代: 最新技術のキャッチアップと、自身の経験をどう活かすかが問われます。UdemyやCourseraで新しい技術を学び直す リスキリング と並行して、若手エンジニアのメンターを務めるなど、経験を還元する動きが重要になります。
50代: 教育・メンター・顧問といった案件がキャリアの中心になります。単価は様々ですが、例えば「週1日の技術顧問」で月20〜40万円といった契約も珍しくありません。コードを書くだけでなく、組織の課題を解決する役割が求められます。
【筆者の実体験】から学ぶ、フリーランスのリアル
異業種からエンジニアへの道
私のキャリアはITとは無縁の 機械設計 から始まり、その後 営業職 も1年経験しました。 転機は、社内SE補助として簡単なSQLを触ったこと。これがきっかけでITの世界に魅力を感じ、派遣登録を経て、ゲームセンターのキャッシュレス端末を管理するWebサイトの開発現場に参画しました。 当初はGitの知識も乏しく、チーム開発の洗礼を受けましたが、「将来はフリーランスになる」という目標があったため、必死に食らいつきました。
フリーランスエンジニアの年収を上げる方法【実体験あり】
筆者の体験談から、年収を上げるための具体的な方法をまとめます。 重要なのは 「戦略的に経験を積み、それを客観的な事実として提示すること」 です。
私のケースでは、JavaからGo、そして未経験のGCPへと、市場価値の高い技術へ意識的に挑戦しました。 この 「未経験でも挑戦 → 実務で経験を積む → その実績を次の案件で提示する」 というプロセスこそが、単価を45万円から105万円まで引き上げた最大の要因です。
単価交渉の際は、ただ「上げてほしい」とお願いするのではなく、「この期間でこれだけ貢献をした」という実績 と、「現在の市場では同スキルならこの単価が相場だ」という客観的データ をセットでエージェントに伝えることで、交渉を有利に進めることができます。
失敗しないエージェント選びのポイント
フリーランスにとってエージェントは重要なパートナーですが、選び方を間違えるとキャリアを停滞させる原因にもなります。
私の経験上、最も重要なのは 「複数社のエージェントに登録し、比較検討すること」 です。 これにより、各社の案件を比較できるだけでなく、エージェント間に健全な競争原理が働き、より良い条件を引き出しやすくなります。
また、担当者との相性も無視できません。 自分のキャリアプランを親身に聞いてくれるか、技術への理解があるかを見極めましょう。
ちなみに私は、保証が手厚い MidWorks、高単価案件が多い レバテックフリーランス、週2〜3日案件に強い ITプロパートナーズ のように、各社の強みを理解し、自分のフェーズに合わせて使い分けてきました。
収入を最大化するための一般的戦略(一般論)
ここからは、筆者の経験に限らず、多くの高収入フリーランスに共通する戦略を一般論として紹介します。
英語力:情報収集と案件選択の幅を広げる
最新の技術情報や、バグの解決策は、多くの場合まず英語で発信されます。 英語の公式ドキュメントやStack Overflowを抵抗なく読めるだけで、他のエンジニアより一歩先に進めます。 また、英語でのコミュニケーションが可能であれば、単価水準の高い外資系企業の案件も視野に入り、収入アップに直結します。
技術発信:24時間働く自分の営業マン
GitHubでの活動や、技術ブログの執筆は、あなたのスキルを証明し、24時間働き続けてくれる「営業マン」になります。 「〇〇を実装してみた」という記事だけでなく、「なぜこの技術を選んだのか」「〇〇でハマったが、こう解決した」といった思考のプロセスを言語化することで、技術力だけでなく問題解決能力もアピールできます。
自己投資:未来の自分への最高の贈り物
フリーランスにとって、自分自身が最大の資本です。 AWSやGCPの資格取得、有料の技術カンファレンスへの参加、オンラインサロンでの人脈形成など、自己投資を惜しまない姿勢が、数ヶ月後、数年後の収入に大きな差を生みます。
案件選び:長期と短期のポートフォリオ
長期案件: 安定した収入基盤となり、精神的な安心に繋がります。一つのプロジェクトに深く関わることで、そのドメイン知識が強みになります。
短期案件: 新しい技術に挑戦したり、収入を一時的にブーストさせたい時に有効です。ただし、常に営業活動が必要になるというデメリットもあります。
多くのフリーランスは、長期案件を一つ軸にしつつ、余力で短期案件や自己研鑽に励むというポートフォリオを組んでいます。
まとめ:未来はあなたの戦略にかかっている

本記事で解説してきたように、フリーランスエンジニアの収入は、スキル、年齢、そして戦略によって大きく変わります。
筆者自身、JavaからGoへ、そしてGCPへとスキルをシフトさせ、市場価値を客観的に捉えながら行動したことで、収入を安定させることができました。 今後は、現在の収入を維持しつつ、労働時間を少しずつ減らし、マネジメントスキルや対人スキルといった、技術以外の領域にも経験を広げていきたいと考えています。
フリーランスへの道は決して楽ではありませんが、正しい準備と戦略、そして継続的な学習意欲さえあれば、誰にでも収入を安定させ、理想の働き方を実現できる可能性があります。
| 項目 | フリーランス | 会社員 | | :--- | :--- | :--- | | 収入 | 青天井(スキル次第) | 安定・上限あり | | 自由度 | 高い(場所・時間) | 低い(組織による) | | 安定性 | 低い(自己責任) | 高い(雇用保険等) | | 業務範囲 | 専門領域に特化 | 雑務も含む | | 自己投資 | 必須(自己負担) | 会社が負担する場合も |
▼フリーランスになるための最終チェックリスト
[ ] 2年以上の実務経験はあるか?
[ ] 半年分の生活費を貯金できているか?
[ ] 相談できるフリーランスの知人はいるか?
[ ] 自分の市場価値(想定単価)を把握しているか?
[ ] 会計や税務の知識(または相談できる税理士)はあるか?
この記事が、あなたの挑戦を後押しし、未来を切り拓くための一助となれば、これほど嬉しいことはありません。
▼おすすめのエージェント
レバテックフリーランス: 業界最大手。高単価案件と手厚いサポートが魅力。
Midworks(ミッドワークス): 正社員に近い保証制度があり、安定を求める人に最適。
ITプロパートナーズ: 週2〜3日の案件が豊富で、柔軟な働き方を実現したい人におすすめ。